放射線治療の故郷

~備忘録!日常の診療でフッと思った疑問の解消に~

転移に重要ながん細胞の形態変化に関わる因子を発見

現在、がんは日本人の死亡原因の第1位であり、約30%を占めている。 早期診断ならびに治療法の進歩により、がんが原発巣に限局する時の治癒率は高くなってきたものの、がん細胞の他臓器への転移は完治への大きな妨げとなっている。 そのため、がん制圧のため…

脳梗塞急性期治療で生じる再灌流障害の画期的な予防法の開発~新規酸化ストレス応答性アポトーシス誘導因子ORAIPに対する抗体療法~

順天堂大学大学院医学研究科乳酸菌生体機能研究講座の世古義規客員教授、奥村康特任教授、研究基盤センター生体分子研究室の藤村務客員准教授、村山季美枝客員准教授と、 横浜市立大学大学院医学研究科 脳神経外科学教室の岸本真雄(大学院生)、末永 潤講師…

ロメライシンは中外製薬とライセンス契約を締結し、全世界で導出を達成

テロメライシン (1) 概要 テロメライシンは、テロメラーゼ活性の高いがん細胞で特異的に増殖し、がん細胞を破壊する遺伝子改変型アデノウイルスのことで、腫瘍溶解性ウイルス製剤の一種である。 テロメライシンの特徴は、正常細胞にもがん細胞にも感染するが…

竹中工務店の放射線遮蔽ボード「RadBoard-X」が医療施設に初採用

竹中工務店と吉野石膏が2018年に共同開発した放射線遮蔽ボード「RadBoard-X」が、山形大学医学部東日本重粒子センターのCTシミュレーション室に初採用された。 「RadBoard-X」は従来の遮蔽ボードに比べ、主にγ線、X線に対して優れた遮蔽性能を発揮する内装…

Taking Baby Aspirin Improves Overall Survival for Patients With Head & Neck, Lung Cancer

BUFFALO, N.Y. — What if a drug that sits in nearly everyone’s medicine cabinet could help extend the lives of some cancer patients? In companion presentations at the American Society for Therapeutic Radiation Oncology (ASTRO) Annual Meetin…

「ストライプ照射」だと放射線の影響は軽減される~放射線の当たり方が一様でない場合、従来の単純な予測は当てはまらない~

公立大学法人横浜市立大学の小川毅彦教授、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(以下、「量研」)量子生命科学領域の神長輝一博士研究員、横谷明徳量子細胞システム研究グループリーダーおよび英国Queen’s University Belfastの福永久典博士課程大学院…

富士フイルム、横河医療ソリューションズを買収、医療IT事業を拡大 〜富士フイルム医療ソリューションズ株式会社として新たにスタート〜

富士フイルム(株)は、放射線科向け医療用ITシステムメーカーの横河医療ソリューションズ(株)(以下 横河医療)の全株式を、横河電機(株)より取得した。 これにより、横川医療、富士フイルムの100%子会社「富士フイルム医療ソリューションズ株式会社」…

日本放射線腫瘍学会(JASTRO)がプレスカンファレンスを開催(2019.09.25)

日本放射線腫瘍学会(JASTRO)はフクラシア八重洲にて(2019年9月25日)、2019年11月21日(木)〜23日(土)に名古屋国際会議場(愛知県名古屋市)にて開かれる日本放射線腫瘍学会第32回学術大会に先立ち、学術大会のハイライトとJASTROの活動を紹介するプレ…

医学生が知っておくべき放射線治療の知識②〔医学各論〕

医師国家試験出題基準に取り上げられているキーワードの解説 ●医学各論 放射線治療がそれぞれの領域でどのような位置を占めているかという「癌治療の中の放射線治療」という考え方が必要である。 1) 脳腫瘍 放射線抵抗性の多形成膠芽腫の治療は腫瘍を可能な…

医学生が知っておくべき放射線治療の知識①〔医学総論〕

医学生を対象として、医師国家試験出題基準の用語解説と各論において放射線治療関連で出題されそうな箇所を取り上げた。さらに学ぶには、上述したマニュアルを読むとともに、取り上げた参考文献を読まれることをお勧めする。 医師国家試験出題基準に取り上げ…

前立腺摘除術後の放射線治療は経過観察+PSA再発後の救済放射線治療に比べ有用性を示さず

根治的前立腺摘除術のあとの術後放射線治療は、経過観察しPSA再発時に救済放射線治療を行う場合に比べて、有用性が示されない可能性が、放射線治療のタイミングを検討したランダム化比較対照試験RADICALS-RTで明らかになった。 術後放射線治療では泌尿器や消…

参考資料

耐容線量 1991年にEmamiらが部分耐容線量の概念を提唱し、それを照射体積との関連で示したデータは現在においても有用であり、現在でも用いられている。 しかし、臨床データは積み重ねられており、これだけで耐容線量を考えている人はもはやいない。 2010年…

照射線治療用の組織障害を抑制する吸収性組織スペーサー発売

アルフレッサ ファーマは、放射線治療用吸収性組織スペーサー「ネスキープ」を発売すると発表した。 癌に対する放射線治療の際、照射する線源の1つとして粒子線がある。粒子線はX線による放射線治療と比べて高線量投与が可能で、より高い治療が得られると期…

略語

GTV: Gross Tumor Volume 肉眼的腫瘍体積 CTV: Clinical Target Volume 臨床標的体積 PTV: Planning Target Volume 計画標的体積 【臨床試験グループ】 EORTC: European Organization for Research and Treatment of Cancer ECOG: Eastern Cooperative Oncol…

可変型の放射線遮蔽材の開発に世界で初めて成功 環境・患者様へ優しい放射線治療へ

近畿大学医学部 放射線医学教室(放射線腫瘍学部門)准教授 門前⼀を中心とした研究チームは、早川ゴム株式会社の協力を得て、加温(60度程度のお湯)することで柔らかくなり、常温では型が維持できる放射線遮蔽材「シーラー Soft Tungsten Rubber(以下、ST…

オンコリスがテロメライシンの放射線併用食道がんフェーズ1企業治験完了

オンコリスバイオファーマは、同社が主導し食道がんを対象に進めていた、がんのウイルス療法テロメライシン(OBP-301)と放射線治療を併用したフェーズ1企業治験で、すべての患者への投与と効果安全性評価委員会(DSMB)による安全性の評価が完了したと発表…

12.良性疾患

12-1. 脳動静脈奇形(AVM:Arteriovenous malformation) 12-2. ケロイド 12-3. 甲状腺眼症 参考文献 12-1. 脳動静脈奇形(AVM:Arteriovenous malformation) 脳AVMは随伴する動脈瘤が破綻して年間2~4%の頻度で出血を来すことが知られており、この出血予…

11. 小児

11-1. ウィルムス腫瘍 11-3. 横紋筋肉腫 参考文献 小児腫瘍は、いずれもまれな腫瘍であり、晩期障害を避けるために細心の注意が必要である。たとえば、骨の成長障害を避けるために骨端線をはずすことや不妊を避けるために卵巣をブロック(外科と話し合ってあ…

10. 骨軟部腫瘍

10-1.骨腫瘍 10-2. 軟部腫瘍 10-3. 切除不能骨軟部腫瘍 参考文献 骨、筋肉、血管などの結合組織と呼ばれるものから発生した悪性腫瘍の総称である。骨軟部腫瘍には多様なものが含まれ、解剖学的にもさまざま、病理組織学的にもさまざまである。 年齢もすべて…

9. 皮膚癌

9-1. 皮膚悪性黒色腫 9-2. 基底細胞癌・有棘細胞癌(扁平上皮癌) 9-3. メルケル細胞癌 9-4. 血管肉腫 9-5. 乳房外ぺージェット病 参考文献 9-1. 皮膚悪性黒色腫 悪性度が高く、放射線感受性が低い腫瘍である。治療は広範切除術が主体で、切除断端を完全に陰…

8.緩和

8-1. 転移性脳腫瘍 8-2. 転移性骨腫瘍 8-3. 上大静脈症候群 8-4. 脊髄圧迫 参考文献 8-1. 転移性脳腫瘍 転移性脳腫瘍の予後予測は治療法を適切に選択する上で重要であり、RTOGの臨床試験の結果を集約したRecursive partitioning analysis(RPA)1)やGraded …

7. 血液・リンパ腫

7-1. 非ホジキンリンパ腫 7-2. ホジキンリンパ腫 参考文献 7-1. 非ホジキンリンパ腫 濾胞性リンパ腫、病期Ⅰ-Ⅱ期の第一選択は放射線治療である1~4)。大規模なデータベースからも放射線治療が他の治療に比較して無病生存率と生存率が高いことが示された5、6…

6. 婦人科癌

6-1. 子宮頸癌 6-2. 子宮体癌 6-3. 膣・外陰癌 参考文献 6-1. 子宮頸癌 RTOG90-01により放射線単独と比べてシスプラチン、5FU併用放射線治療による生存率の延長が報告された1、2)。 GOGからはシスプラチン、5FU併用放射線療法がヒドロキシウレア併用放射線…

5. 泌尿器

5-1. 膀胱癌 5-2. 前立腺癌(外照射) 5-3. 精巣腫瘍 参考文献 5-1. 膀胱癌 浸潤性膀胱癌で膀胱温存を希望している手術拒否例や手術不能例が適応となる。陽子線治療の検討から膀胱の側壁および前壁は従来いわれている60Gy/30回よりも耐容は高いと考えられる1…

4.消化器

4-1. 食道癌 4-2. 結腸癌 4-3. 直腸癌 4-4. 肛門管癌 4-5. 原発性肝癌 4-6. 胆管癌 4-7. 膵癌 参考文献 4-1. 食道癌 JCOG9907により術後化学療法に比較して術前化学療法により生存率が優れていた1)ことから、日本においてはT4腫瘍を除く病期Ⅱ-Ⅲ期の食道癌に…

3.胸部

3-1. 乳癌 3-2. 非小細胞肺癌 3-3. 小細胞肺癌 3-4. 胸腺腫・胸腺癌 参考文献 3-1. 乳癌 乳房温存術後の放射線治療により乳房内再発率を抑制することを、多くの臨床試験の結果が示しているが1~6)、メタ解析により10年後に4人の局所再発を抑制することによ…

2.頭頸部

2-1. 眼・眼窩腫瘍 2-1-1. 脈絡膜転移 2-1-2. 網膜芽細胞腫 2-1-3. 脈絡膜悪性黒色腫 2-2.鼻腔・副鼻腔癌 2-3. 口唇と口腔癌(舌を除く) 2-4. 舌癌 2-5. 上咽頭癌 2-6. 中咽頭癌 2-7. 下咽頭癌 2-8. 喉頭癌 2-9. 耳下腺癌 2-10. 甲状腺癌 2-11. 原発不明の…

1.中枢神経

1-1. 悪性神経膠腫 1-2. 低悪性度神経膠腫 1-3. 脳胚腫 1-4. 髄芽腫 1-5. 良性脳腫瘍 1-5-2. 下垂体腺腫 1-5-3. 髄膜腫 1-5-4. 頭蓋咽頭腫 参考文献 1-1. 悪性神経膠腫 術後照射として残存腫瘍に対して放射線治療を施行する。EORTCとNCI-Canadaの臨床研究に…